DHAの重要性と課題
DHAは古くから研究がされてきた機能性素材で、高血圧・動脈硬化・脂質異常症・脳卒中・皮膚炎の予防・改善作用や免疫反応の調整、脂肪燃焼の促進や認知・行動能力への影響など様々な効果が研究・報告されています。また認知度調査でも毎回上位にランクインするほど知名度の高い成分でもあります。
一方で体内で産生できないことから食事を通じて摂取する必要があり、厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準」ではDHA・EPA等を含むn-3系脂肪酸全体で目安量も定められています。
このように乳幼児から高齢者まであらゆる世代に求められる成分ですが、一般食品に添加するには特に酸化によって生じる臭いの問題や賞味期限・保管条件が課題となっていました。Nu-Mega社の「Driphorm®HiDHA®」は、特許技術で高濃度粉末化することによって酸化を抑えたDHA粉末です。さらに製造後24か月の賞味期限、常温保管可能、粉末形状と扱いやすいことも特徴です。またDHA含有量が高く、コストメリットの高い製品です。今回は「Driphorm®HiDHA®」の官能評価試験や保存安定性試験の結果を紹介します。
官能評価
官能評価では5名のパネリストがRancid Odor(油脂の酸敗したにおい),Marine Odour(海産物の生臭いにおい),Rancid Flavour
(油脂の酸敗した風味),Marine Flavour (海産物の生臭い風味)をターゲットとして評価しています。
また、各成分の評価を合計し総合的な評価結果も算出しました。
縦軸の数字が高いほど良好なスコアで0に近づくほど悪いスコアとなります。
窒素ガス充填包装でDHA粉末を保存し、6週間ごとに官能評価を行いました。温度は25℃、40℃の2パターンで保存しています。
保存期間が長くなっても臭い、風味ともに大きな変化はなく安定して良好な評価結果でした。また、25℃と40℃保管を比べても臭いや風味に大差ない結果となりました。
保存安定性
酸化安定性について過酸化物価、酸価とオメガ3脂肪酸の含有量を測定しました。
油脂の変化
官能評価では継時劣化はみられませんでしたが、油脂の酸化の指標である過酸化物価(POV)と酸価
(AV)の継時劣化はどうなのか試験しました。サンプルは官能評価同様に窒素ガス充填包装でDHA粉末を保存し、6週間ごとに試験しています。保存温度は40℃です。
過酸化物価、酸価ともに大きな変化はなく、理化学検査でも安定していることがわかりました。
オメガ3脂肪酸の含有量
最後にオメガ3脂肪酸(DHA・EPA)の含有量について継時変化のデータを紹介します。
HiDHA360はDHA粉末としては破格のDHA含量285mg~385mg/gを規格化しています。ただし、いくら高含有であっても継時的な劣化で含量が落ちてしまうと意味がありません。画像は40℃保管・30週までの保存テスト結果です。他の試験同様にDHA含量に大きな変化はなく安定した品質であることがわかりました。
高濃度DHA粉末「Driphorm®HiDHA®」とは
「Driphorm®HiDHA®」はオーストラリアのNu-Maga社が製造するDHA粉末です。日本ではHiDHA 360とHiDHA 50を販売しています。HiDHA 360はDHA超高含有タイプでコストパフォーマンスの高いことが特徴です。HiDHA 50は乳児用調製粉乳用DHA粉末として世界トップシェアを誇る商品です。
独自のMicroMax技術で魚油特有の嫌な風味を抑えつつ、高い酸化安定性や保存性を実現しました。賞味期限は製造後24か月、常温保管ができるDHA粉末です。
さらにハラル認証やコーシャ認証、オーガニック認証を取得し世界中で流通している実績ある商品です。