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氾濫するスポーツサプリメント 選択の指針となるものは
日本においてサプリメントの存在は大きなものとなっています。株式会社インテージによると2021年の健康食品・サプリメントの市場規模は1兆3,732億円に達しています1)。また厚生労働省の2019年の国民生活基礎調査によるとサプリメントのような健康食品の摂取率は男性21.7%、女性28.3%となっています2)。このようにサプリメント市場は一大産業となっており、TVやラジオ、新聞、雑誌、インターネットなどにおいて、サプリメントの広告を見かけない日はない状況です。
サプリメントを愛用する主な層の一つとしてアスリートが挙げられます。あと1秒、あと1cmを競い、成績によって名声や収入が変わってしまうアスリートにおいてはパフォーマンスの向上は永遠のテーマであり、そのサポートとしてサプリメントには熱いまなざしが向けられています。実際に陸上競技の日本代表のアスリート約600人に対して実施した研究 Tabata et al., (2020) では、約63%のアスリートがサプリメントを使用していることが報告されています 3)。アスリートのサプリメントに対する熱を裏付けるようにAmazonでスポーツサプリメントと検索すると、4000以上の商品が表示されます。様々世の中にあふれているサプリメントですが、使用しようと思った際に多くの人が直面する課題が存在します。それはどのサプリメントを使用すればいいのかという問題です。サプリメントの消費者であるアスリートは、膨大な数のサプリメントやあふれる広告宣伝にたいして途方に暮れてしまいます。アスリートはパフォーマンスの向上の一環としてサプリメントを摂取しますので、届ける必要があることはどのサプリメントが本当に効果があるのかという情報になります。
サプリメントの有効性情報においてオススメな国際スポーツ栄養学会 (ISSN) の論文
サプリメントの効果に関する情報として非常に有効なレビュー論文としまして、Chad M. Kerksick et al., (2018) があります 4)。これは国際スポーツ栄養学会 (ISSN) が発行しているものになります。ISSNは2003年に設立されたスポーツにおける栄養学をテーマとした学会になり、学会会員は世界で3万5千人を有します。今回のレビュー論文はスポーツサプリメントを扱ったものであり、2004年、2010年に続くものになります。様々なサプリメントの有効性について評価しており、下記の3段階に格付けしております。
- A) 有効性を裏付ける強力なエビデンスがあり、安全性が明白である
- B) 有効性を支持するエビデンスは限定的もしくは複合的である
- C) 有効性及び安全性を支持するエビデンスはほとんどあるいは全くない
それではAランクのサプリメントはいったいどのようなものがあるのでしょうか。
ISSNがAランクと評価するサプリメント一覧
筋肥大とパフォーマンス向上の2項目で評価を行っております。各項目でのA評価のサプリメントは下記になります。
【筋肥大】
HMB、クレアチン、EAA
【パフォーマンス向上】
β-アラニン、カフェイン、炭水化物、クレアチン、重曹、リン酸ナトリウム、水・スポーツドリンク
プロテイン、カフェイン、HMBなど代表的なスポーツサプリメントが並びます。また特出すべきなのは、筋肥大とパフォーマンス向上の両方でクレアチンがAランクに位置づけされていることになります。
アスリートに本当にオススメなサプリメント クレアチン
クレアチンは生命維持に必要なアミノ酸の一種です。体内に存在するクレアチンの95%は骨格筋組織に蓄えられ、エネルギー源であるATP(アデノシン三リン酸)の供給に寄与し、身体機能の向上に関与します。1992年のバルセロナ五輪では男子100m走で金メダリストに輝いたリンフォード・クリスティ選手 (英国) 、女子400mH走金メダリストに輝いたサリー・ガネル選手 (英国) はクレアチンを使用していました。金メダル獲得後にクレアチンを摂取していたことが世に広まると、一躍クレアチンは注目のサプリメントとなりました。現在では多くのアスリートがクレアチンを摂取しています。
当社ではCreapure®(クレアピュア) というクレアチンのブランド商品を扱っております。Creapure®はアルツケム社が製造するクレアチンシェア世界No1の高純度クレアチン・モノハイドレートのブランド商品名です。Creapure®はアンチ・ドーピングに向けてケルンリスト®に掲載されており定期的に使用禁止薬物のテストを受けていますので、アスリートの方も安心してご利用いただけます。
関連情報
参考文献
- 1) 株式会社インテージ 健康食品・サプリメント+ヘルスケアフーズ+セルフヘルスケア市場実態把握レポート2021年度版
- 2) 厚生労働省 2019年 国民生活基礎調査
- 3) Shogo Tabata et al., Use of nutritional supplements by elite Japanese track and field athletes Journal of the International Society of Sports Nutrition volume 17, Article number: 38 (2020)
- 4) Chad M. Kerksick et al., ISSN exercise & sports nutrition review update: research & recommendations Journal of the International Society of Sports Nutrition (2018) 15:38