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キサンタンガムとは
キサンタンガムは、食品のとろみ付けによく用いられる増粘多糖類の1つです。少ない添加量で高粘度を発現するため、調味料の粘度付けに良く使われます。冷水可溶、耐熱性、耐酸性、耐塩性、冷凍解凍耐性をもっており、他の多糖類と相乗効果もあるため、幅広く利用されています。
また、キサンタンガムは食品の他に化粧品にも活用されており、クレンジングジェルや、保湿化粧水、乳液といった化粧品に粘度を出す目的でも活用されています。
キサンタンガムの基礎物性や特徴、ほかの増粘多糖類との相乗効果、各食品にどのような用途で使用されているのか、
キサンタンガムの基礎知識について『食品開発ラボ』にて解説しています。
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キサンタンガムをすでに使用している方向けに、応用編として4つのキサンタンガムの使い分けについて次のパラグラフでご紹介します。
関連情報
キサンタンガムの使い分けって?
単に増粘させるだけであれば、汎用性タイプ(弊社取扱品では"SATIAXANE CX90")を使用すれば十分ではありますが、キサンタンガムの種類を使い分けることで作業性の向上や製品の品質向上させることができます。 お悩み別にぴったりのキサンタンガムをご紹介します。
1)工場ラインでの粉の飛散を防ぎたい時に"SATIAXANE CX915"
キサンタンガムは細かな粉体であるため、原料投入の時などに粉が舞ってしまうことがあります。粉が舞って壁や天井を汚してしまうと水分を含んでカビのもとになりかねません。また足元も滑りやすくなるので非常に危険です。
粉が飛散してしまうとラインのお手入れに、より時間がかかってしまいますよね。
飛散しにくいよう粒径サイズを調整した CX915であれば製造時の手間や衛生面・安全性での不安を減らしてコストの削減につながります。
2)ダマができて溶かしにくい時に"SATIAXANE CX2QD ,CX915"
増粘剤を使用する際に避けて通れない悩みといえばダマの発生。キサンタンガムは冷水可溶である分、ダマができやすくもあります。そこでおすすめなのがCX2QDとCX915です。
CX915では、粒子サイズが大きいため粘度発現が緩やかでダマの軽減ができます。
CX2QDは顆粒状にしているため、ダマなくさっと溶かすことができます。
3)透明性を保ってとろみをつけたい時に"SATIAXANE CX930"
食品の開発に重要なのが見た目。なるべく透明度の高いドレッシングやゼリーを作りたい方にお勧めなのがCX930です。通常品と比べて白く濁ることがなくクリアな見た目を実現できます。
4)早く増粘させたい時に"SATIAXANE CX91"
粉末飲料など粘度発現を早めたい時におすすめなのがCX91です。微粉末の非常に細かな粉体であるため水和、増粘が早いのが特徴です。
ただし粘度発現が早い=ダマになりやすいので溶解設備や配合に注意が必要です。
キサンタンガムの溶かし方
キサンタンガムは加熱不要で溶解する多糖類ですが、非常に水和しやすい分ダマになりやすいという特徴もあります。以下に、溶かし方のコツを3点紹介しますので、参考にご覧ください。
一般的な溶かし方としては、
①ハイスピードミキサーなどの高速撹拌機を用いる
②砂糖など他の粉末原料とよく混ぜ合わせてから溶かす
③アルコールや油に分散させてから溶かす
といった方法が用いられます。
また、キサンタンガムにも粒子径や大きいものや顆粒タイプなどダマになりにくいタイプがありますので、条件に応じて使い分けるのが良いでしょう。
キサンタンガムと多糖類を併用することで生まれる相乗効果
キサンタンガムは、その他の多糖類と併用することで、相乗効果が得られます。
グァーガムとの相乗効果
キサンタンガムとグァーガムを、併用して溶かすことにより、粘度の相乗効果を得ることができます。 この相乗効果は、キサンタンガムとグァーガムを「2:8」の割合で溶かしたときに最大となります。
ローカストビーンガムとの相乗効果
キサンタンガムとローカストビーンガムは併用することで、ゲル化することが知られています。この二つはそれぞれ単体ではゲル化しませんが、二つを合わせることによりゲル化するという相乗効果を得ることができます。
この相乗効果については、別のページで詳しく解説しているので、興味のある方は、 こちら をご覧ください。
まとめ
キサンタンガムは増粘の際に最もよく使われる増粘剤です。よく使用するからこそ、キサンタンガムの種類を使い分ければ、作業性の向上や製品の品質向上させることができます。
上記以外にも顆粒状の透明性キサンタンガムなど様々な種類を取り扱いしておりますのでお悩みもありましたらぜひご相談ください。お悩みにぴったりの素材をご紹介させていただきます。