開発支援サービスとは
商品開発のプロセスにおいて「コンセプトはできていても消費者が好む形態を設計できない」、「おいしい味に仕上がらない」、「求めている食感にならない」など、様々なお困りごとが生じると思います。ユニテックフーズは、商品開発のプロセスで生じるお悩みを解決する『食品開発支援サービス』を提供しています。主に、(1)試作サービス、(2)処方設計サービス、(3)物性評価、(4)賞味期限設定、(5)食品表示サポートなどを行っています。
人間は「甘味、酸味、塩味、苦味、うま味」の5つの基本味を感じることができます。これらに加えて、辛味、渋み、コク味、においや見た目等、他の感覚器官から五感で感じて「おいしさ」を判定することができます。
今回は、味づくりの基本の五味の中から「酸味」と「苦味」について、食品開発への影響についてお話したいと思います。
人が好む酸味とは
酸味とは、酢やレモンなどの「すっぱい」と言われる味のことをいいます。酸味料とは、食品に酸味の付与または酸味の調整や味の調和のために使用されるものです。酸味を付けるのに代表的なものはクエン酸、乳酸、リンゴ酸、酢酸などがあります。酸味料は、さまざまな食品に使用され、清涼飲料水やヨーグルト等の発酵食品、ドレッシングなどの調味食品にも使われています。
また、酸味料はその種類によって酸味の強さや質、呈味時間が異なります。例えばクエン酸は爽快な酸味が特徴ですが、乳酸は渋みもありながら穏やかな酸味が特徴です。このような特徴の違いから異なる酸味料を組み合わせることで、より求める酸味に仕上げることができます。
ただ本来、酸味は腐った食物を排除するために忌避的な味覚になります。酸味を付与しすぎると人間は腐ったものと本能的に感じ、嫌う傾向があるため酸味の付与はバランスが重要になります。
酸味はおいしさの表現だけではない!
酸味は、食品のおいしさにも貢献しますが、さらに食欲増進や消化吸収を助ける効果もあります。酸味を感じると唾液がたくさん分泌されます。同時に胃液の分泌も促し消化のはたらきを助けます。また、酸味が味覚や嗅覚を刺激して、摂食中枢に働きかけるといわれています。
他にも酸味料を使用すると、pH調整効果や静菌効果があることから食品の品質の安定化や保存性の向上にも用いられます。
大人の味、苦味とは
苦味とは、コーヒーやビールなどの「苦い」と言われる味のことをいいます。苦味も酸味と同じく本来は忌避的な味覚です。生体防御のための危険物質に対する信号にもなります。そのため苦味は基本味の中でも最も少量で敏感に感じ、強すぎる食品は嫌われる傾向にあります。しかし、食生活が豊かになる中で、適度な苦味は嗜好性を高め、また文化的な背景から味のアクセントや生理的刺激に利用されるようになりました。子供時代は苦味に慣れておらず苦手な傾向にあり、成長過程で獲得されていく嗜好となっています。
苦味の付与には、ビールにつかれるホップや嗜好性の高いコーヒーなどをはじめ、苦味料といわれるカフェインやグレープフルーツの苦みであるナリンジンを使用します。
酸味、苦味を意識した味づくりのポイント
酸味や苦味を隠したいという場合はどのようにすればよいでしょうか?
酸味や苦味等の味を隠す≒マスキングと一般的には言われます。マスキングには様々な方法がありますが、酸味や苦味を感じにくくする方法として、他の味を合わせる方法があります。
食事する際には口の中で咀嚼するため、酸味単体や苦味単体で味わうことは少なく、口の中で混ざることによって互いに影響し合います。特に酸味や苦味は甘味を付与することで、軽減されるといわれています。例えば、ブラックコーヒーに砂糖を入れると苦味が抑えられ、飲みやすくなることが挙げられます。
このように酸味や苦味の特徴を把握して味づくりをすることで、美味しい食品を作ることができます。もちろん他にも食品の種類や食べるときの温度、食感などによっても味の感じ方は変わるため、味に影響する要因を意識して食品開発をする必要があります。
今回は、酸味、苦味の味づくりのポイントについて紹介をしました。弊社では、このような酸味・苦味の知識・組み合わせのノウハウを生かして商品設計を行っています。食品の商品開発へのお困りごとがありましたらお気軽に食品開発支援サービスまでお問い合わせください。