商品活用情報

食品開発支援サービス事例(4)
~物性評価②~

目次

食品開発支援サービスと物性評価

商品開発のプロセスにおいて「コンセプトはできていても消費者が好む形態を設計できない」、「おいしい味に仕上がらない」、「求めている食感にならない」など、様々なお困りごとが生じると思います。
ユニテックフーズは、商品開発のプロセスで生じるお悩みを解決する『食品開発支援サービス』を提供しています。主に、(1)試作サービス、(2)処方設計サービス、(3)物性評価、(4)賞味期限設定、(5)食品表示サポートなどを行っています。今回は「物性評価」の事例を紹介します。

物性評価では「食感」を可視化させることで、その食品の持つ特徴を評価しお届けするサービスです。「新製品と従来品の比較を示したい」「市販品をマッピングして新商品開発の参考にしたい」「自社商品と他社商品の違いを物性評価で比較したい」といったご要望にお応えしています。機器測定と官能評価を組み合わせることで、客観的なデータ収集をお手伝いします。

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ドリンクヨーグルトの物性評価事例

今回はドリンクヨーグルトの物性評価事例を紹介します。市販品のドリンクヨーグルト20種類の「飲み口」に着目し、機器測定と官能評価で物性評価を行いました。

評価方法①)機器測定

機器測定では動的粘弾性測定装置を用いてドリンクヨーグルトの物性測定を行いました。動的粘弾性装置とは簡単に言うと「液体的な性質と固体的な性質が測れる装置」です。食品は「粘り」のような液体的な性質と「弾力」のような固体的な性質を併せ持つことが多く、動的粘弾性装置はそれらを同時に測定でき実際の観察結果にも近い結果となることから物性測定には広く利用されています。

今回は分かりやすくするため「粘度」に焦点を当てた測定結果を紹介します。ドリンクヨーグルトという商品形態でもフレーバーやコンセプトによってその物性は様々で、「粘度」という1項目だけでも違いがあることがわかります。この粘度の違いは実際に食べたときにも同様の傾向が見られるのでしょうか。

図1

評価方法②)官能評価

弊社では厳しい社内試験に合格した官能評価パネラーによって、物性・味の評価を行っています。今回はヨーグルトドリンクを口に含んだ時と飲み込む時の2点で「もったり感(≒粘性)」を5段階、絶対評価で行いました。

図2

縦軸では数値が高いほど口に含んだ時のもったり感を強く感じ、横軸では数値が高いほど飲み込む時のもったり感を強く感じると評価しマッピングしています。マッピングした結果、商品によって飲み口の違いで特徴を出していることがわかります。また、口に含んだ時もったり感が弱いものは、飲み込む時のもったり感も弱く、「もったり感」は口に含んだ時と飲み込む時で比例していました。

評価方法③)評価のまとめ

機器測定と官能評価の結果をまとめたものが下の図になります。

図3

機器測定の粘度結果と官能評価の結果を比較すると、「粘度=もったり感」とはならないことが市販品No.2の結果からもみてとれます。この違いはドリンクヨーグルトに配合されている増粘剤の種類、具材、糖度の違いから機械で測定される粘度と口に含んで感じとれる評価に差があると推察されます。このように物性を評価するときは、機械による測定だけではなく、官能評価と併せて行うことが重要になります。

弊社ではこのような物性評価の受託だけではなく、「この物性に近付けてほしい」「差別化した商品を発売したい」というお声に応えるため、適切な原料のご提案や処方設計も行っております。 また、ご希望に応じて統計解析ウェアを用いたより高度な評価も提供できます。

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お申込み方法

今回は、ドリンクヨーグルトの物性評価について紹介しましたが、以下コラムではジャムの評価事例も紹介しております。ぜひこちらもご確認ください。

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ドリンクヨーグルトやジャムだけでなく他の食品形態でも様々な項目で物性評価が可能です。お気軽にお問い合わせください。
お問い合わせ、お申し込みは下記フォームより承っております。

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