商品活用情報

新規抗ストレス素材として注目
大豆ペプチド由来の「SOYLAX®」

現代社会は、経済的な豊かさ、科学技術の発達により便利で快適な生活を享受しています。その反面で、人間関係、労働環境、責任、やりがいの欠如により、現代に生きる人々は多くのストレスを抱えており、ストレスが原因となってうつ病などの「気分障害」にかかる人が増加しています。現在人の気分障害の要因には、上記のストレス以外に、高齢者における孤独、家族との軋轢、死への不安といった精神的負担や身体の衰えによる各種障害によるストレスもあり、これらを要因として発症する「気分障害」の総患者数は国内では2017年の時点で128万人に達しています1)。

目次

食品への期待

このようなストレス社会を背景として、各種アミノ酸(GABA、テアニン、グリシン)、セントジョーンズワート、バレリアン、乳酸菌などを含有する様々なストレス緩和食品が販売されるようになってきており、市場規模は2022年に於いて160億円を超える見通しとなっています2)。現代の目まぐるしく変わる社会情勢のもと、様々なストレスが断続的にかかってきます。今後もストレスを要因とする気分障害に対抗するための食品の需要は高まっていくものと思われます。

食品への期待

そのほかの健康機能素材

新規有望素材大豆ペプチド

近年の研究の中で抗ストレス素材として注目をされているものの一つに、大豆ペプチドが挙げられます。大豆は、肉に匹敵するタンパク質を含有しており、世界中で広く栽培されています。タンパク質は我々にとって生命活動を維持するための必須の栄養源であり、体内で分解されてアミノ酸となって全身の細胞に供給されます。近年では単なるアミノ酸の供給源としてだけではなく、タンパク質分解酵素等で生成される大豆ペプチドの生理活性に注目が集まっています。大豆ペプチドには血圧低下作用、コレステロール低下作用、中性脂肪低下作用などの各種の生理活性に加え、抗うつ様効果があることが明らかになっています。

新規有望素材大豆ペプチド

抗うつ様効果を発揮するメカニズムの一つが、腸-脳連関(Gut-Brain communication)です。腸は、第二の脳とも呼ばれる独自のネットワークを持っており,脳からの指令がなくても独立して活動することが出来ます。腸-脳連関とは生物にとって重要な器官である腸と脳がお互いに密接に影響を及ぼしあうことです。京都大学の大日向耕作准教授らによって大豆タンパク質の酵素消化物中に発見された抗うつ様効果を発揮する新たなペプチド「Soy-deprestatin 」(SDP) は、消化器にある受容体を刺激し、迷走神経を介して脳にシグナルを送ることによって効果を発揮します3))。SDPは10残基のアミノ酸(LSSTQAQQSY)からなるペプチドで3))、その特徴として、①消化吸収の時間が不要なため,効果が現れるまでの時間が短い、②血中に入ることなく効果が現れるため副作用が現れにくいことが考えられてます。

SOYLAX®の特徴 製品規格・エビデンス

このSDPを含有するメンタル素材「SOYLAX®」をUHA味覚糖株式会社は開発しました。「SOYLAX®」は、上記の大豆タンパク質由来ペプチドSDPを含有させた抗うつ、抗不安素材です。ヒト試験においてPOMS短縮版による抗うつ-落込みのスコアを2.3ポイント、新版STAIによる状態不安のスコアを3.5ポイント低下させており、いずれも有意な効果があることを確認しています4)。SDPを規格化した「SOYLAX®」は、腸-脳連関を介した新しい抗ストレス素材として商品開発のご検討にいかがでしょうか。

まとめ

ユニテックフーズでは新たに「SOYLAX®」の取り扱いを始めました。本商品に関するお問い合わせは弊社までご連絡ください。

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参考文献

1)平成30年版厚生労働白書(https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/18/backdata/01-01-02-09.html)
2)富士経済調査資料(2023年H&Bフーズマーケティング便覧【No1】)
3) Y. Mori et al.: FASEB J. 2018 Feb;32(2):568-575.
4)鹿島康浩ら:薬理と治療,47,1425 (2019)

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