ペクチンとは
ペクチンとは、リンゴの搾滓やレモン、グレープフルーツ、ライム、オレンジなどの柑橘類の皮を原料とする複合多糖類で、1825年にフランスのJ.Bracconotが発見したものです。ギリシャ語の"pectos"(固い、硬直)に由来する言葉から「ペクチン」と命名されました。植物の細胞壁に存在するペクチンは、水を多量に吸い、細胞をつなぎ合わせるセメントの役目を果たします
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食品の裏側を支えるペクチンの増粘・ゲル化効果
ペクチンは様々な食品の製造に使用されています。例えばジャムではゲル化目的に使用されます。果実飲料では増粘目的に使用され、ペクチンはフルーツから抽出されるものが中心のためフルーツとの相性が良く濃厚な味わいを仕上げることにつながります。加えてペクチンとカルシウムの反応性を生かして様々な乳製品に利用されたり、ボリュームアップやしっとり感などの食感改良のためにパン生地にも利用されています。

ペクチンの機能性
ゲル化剤・増粘剤として活用されているペクチンですが、実は食物繊維として機能性の研究も様々されています。
J J Cerda et al., (1988)
では高コレステロール血症の男女27名 (27-69歳)
がグレープフルーツペクチン15g/日を16週間摂取することで、血漿コレステロール値が統計的有意に低下することが報告されています1)。

工藤 (2018) では弛緩性便秘と判断された14名 (83歳±6) がペクチンを5.4-10.8g/日を4週間摂取することで排便回数と便の質が有意に向上することが報告されています2)。(表1を参照)Anne J.Wanders et al., (2014) ではりんご由来HMペクチン10gを摂取することで、食後の血糖値の上昇が有意に低下することが報告されています3)。これらのようにペクチンの機能性の研究は様々されており、単なる増粘・ゲル化剤に留まらない魅力を有しています。
カーギル社ペクチン
当社では、カーギル社のペクチン「UNIPECTINE™」シリーズを取り扱っています。由来原料がリンゴタイプとシトラスタイプのものがあり、用途に応じた様々なタイプのペクチンを取り揃えております。また、独自開発のペクチンである加熱不要でゲル化する「QSペクチン」も用意しています。
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参考文献
1) J J Cerda et al., The effects of grapefruit pectin on patients at risk for
coronary heart disease without altering diet or lifestyle. Clin Cardiol. 1988
Sep;11(9):589-94. doi: 10.1002/clc.4960110902.
2) 工藤 正美 他., ペクチン含有濃厚流動食「ハイネイーゲル®」が高齢患者の弛緩性便秘に及ぼす影響 日本静脈経腸栄養学会雑誌/33 巻 (2018) 5 号/ p.
1159-1163
3) Anne J.Wanders et al., Pectin is not pectin: A randomized trial on the effect of
different physicochemical properties of dietary fiber on appetite and energy intake
Physiology & Behavior Volume 128, 10 April 2014, Pages 212-219