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フルーツを使わず果肉食感を再現?!
ペクチンで作る「リンゴすりおろし風ドリンク」

ジャムやグミのゲル化に使われるゲル化剤「ペクチン」は、ゲル化の反応を調整することで、実に様々な形・食感のゲルを作ることができます。今回はその一例として、ペクチンで作るさらっとすりおろしたような「リンゴすりおろし風ドリンク」をご紹介します。

目次

ペクチンについて

ペクチンはリンゴや柑橘の皮などから抽出される天然の多糖類です。構造(修飾度)の違いによりLMペクチンとHMペクチンに分けられます。一般的な用途は以下の通りです。

  • LMペクチン:ゼリー、プリン、低糖度ジャムのゲル化等
  • HMペクチン:酸性乳飲料の安定化、高糖度ジャムのゲル化等
ペクチンについて

それぞれゲル化の要因が異なっており、今回ご紹介するLMペクチンはカルシウムと反応してゲル化する増粘多糖類です。ペクチンについてより詳しい内容は以下リンクをご参照ください。

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反応性を調整し様々なゲルを作る

LMペクチンは、ゲル化因子のカルシウムとの反応性を調整したり、ゲル化条件を変えたりすることで、様々な大きさ・食感のゲルを作れます。以下にLMペクチンで作れるゲルをご紹介します。

①均一なゲル

LMペクチンはジャムやプリンのように、均一な食感のゲルを作れます。カルシウムが適度な量と速度でLMペクチンと反応することで、溶媒全体を均一にゲル化します。

②分子が凝集してできる、小さくてざらざら食感のゲル

LMペクチンとカルシウムとの反応性を早めると、LMペクチンのネットワークが締まり、ジャムのように均一なゲルではなく、局所的にLMペクチンがゲル化(プレゲルと呼びます)します。また、攪拌速度を速くするにつれ、このプレゲルの大きさは小さくなります。それらの条件を調整すると、~1mmほどの小さくて硬いゲルを無数に作ることができます。この場合①のように溶媒全体が均一にゲル化せず、ざらざらした粒がたくさん入った、とろっとした液体ができます。

③ぷっくりとしたゲル

これは②のゲルの派生になります。②の溶媒にペクチン以外の増粘剤を加えます。そうすることで増粘剤がLMペクチンの分子鎖間に入り込んでネットワークが②ほどは締まらず、②よりも大きくやわらかい数㎜ほどのつぶつぶのゲルを作れます。このゲルの大きさや食感を調整することで、オレンジやグレープフルーツのさのう(果肉)に近いゲルを作れます。

※上記のゲルの物性は、紹介した以外にも温度やペクチンの修飾度などに影響を受けます。

動画で紹介!ペクチンで作るリンゴすりおろし風ドリンク

今回は②の方法で、小さなつぶつぶゲルをたくさん作り、まるですりおろしたリンゴのような果肉入りドリンクを再現ました。

まるでリンゴをすりおろしたような、さらっとした食感に仕上がります。気になりました方はぜひお問合せください。

まとめ

・ペクチンは反応性を調整することで様々な形・食感のゲルを作れる
・小さくて硬いゲルを作ることで、リンゴをすりおろしたような食感を再現できる

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